放浪の旅その2

全部で3部を予定中の放浪日記。
今日はその第2部を。


世界遺産と救世主

時間は朝の6時半を迎えようとしています。
しかし、この時点で我々はまだ睡眠をとってません。
理由は簡単。

無計画ですから。

なので、寝る場所とかも全く決めてません。
すべては勢いです。

寝る場所も問題ですが、それよりもガソリンがもっと問題。
とりあえずもうちょっと先の方に無いか、少し走らせました。
するとトンネルの手前に「鬼ヶ城」という謎の標識を発見。
コレは行っておかねば。

トンネルに入らずに左に曲がるとあるそうです。
その証拠に、「鬼ヶ城トンネル」なるもののすぐ横で鬼が待ち構えてました。

鬼が出迎え+2。


場所はココです。

で、「鬼のほかになんかないのか?」と思いもうちょい進んでみると、謎の建物を発見。

謎すぎる建物。


手前にある看板の説明をよ〜く見てみると・・・

俺に美的センスは無いから良さがわからん。



コレが世界遺産かよ!

正直、ショボすぎないか?
と思って、先ほどネットで調べたところ、この逸れた道を突き進むと、自然に形成された岩場があるそうで、おそらくソッチのことでしょう。
さっきの地図でも鬼ヶ城はもうちょっと先だしね。

しかしココにコレ以上のネタはもう無いと判断。
鬼ヶ城なる場所の存在の、この時点で知るわけも無く、さらにガソリンがピンチなので、本物の鬼ヶ城の写真はありません。

では見張りの鬼にお別れの挨拶でもしましょうかね。

股間がガラ空きだぜ!



さて、さきほどの地図を見ていただければわかると思いますが、トンネルを抜けるとしばらく海岸沿いです。

「海岸線」という目的がようやく達成できたわけだ。

さらに左の方へとすすむと、ついに見つけた!

ガソリンスタンド!!

地図上にもマークがありますね?
ついに捜し求めてたものを発見しました。
しかしこのスタンドは7時半オープンで、現在はまだ31時頃。
あと30分ほどあります。

せっかく海沿いで砂浜にも行けるので、ちょっと入ったところにバイクを止めて、時間稼ぎを兼ねてイザ海!

もう秋全開ですけどね。


目の前に広がるのは、果てしなく続く水平線。
三重の海岸なので太平洋ということになります。

ここの海辺は、「砂」というよりも「石」が多い。
もちろん砂もありますけど。
そこで時間つぶしにいい遊び。

「水切りショット」

アレだ。
平べったい石をサイドスローで円盤のように投げ、水面を跳ねさせるヤツですよ。
ココは石だらけでしかも海辺。
丸い石が多く、ゴツゴツした石はあまりありません。
コレは好都合というもの。
さっそく海に向かって投球(?)。

来る前にさんざんボールを投げた肩ですが。


そう、ココに来る前にもさんざんボール投げてます。
キャッチボールをやって、まだ15時間少々です。

当然肩は死んでます。

それどころか、相手は川や田んぼ、湖ではありません。
「海」です。
つまり「波」があるんですよ。
なので、せっかくイイ感じで跳ねても、波に飲まれればそこで終わるわけ。
それでもやり続けるチキンな3バカです。

まだ時間が余ってます。
今度のチキンレースは

「波打ち際でどれだけガマン出来るか」

という、もはや大定番のチキンレース。
しかし定番は定番ですが、男同士でやることはなかなか無いかと。

その真っ最中の写真を撮ることに成功し、ココで掲載。

「あはははは」
「うふふふふ」




恋人同士にしか見えんわけで。

この写真でアヴェ氏のキモスレベルがさらに上昇したのは言うまでもない。


そんなバカをやってるうちに時間は31時半を突破。
コレで7時半開店の店も開いてる→給油ができるというものです。

野球やって休み無しで大阪から三重まで原付で来て、まだ睡眠を取ってない我々の体にはこの砂浜はキツイ。
足がとられてなかなかに進みづらい地面。

すでに無い体力をさらに奪う。

ようやく道路にたどり着きスタンドを見てみると

閉まってますね・・・

なぜだ!?
もう7時40分だぞ?

ともかく店に近づいてみます。
すると「営業時間」の下にもう1行・・・

定休日:日曜

はぁーーーーーーーー!?

ガソリンスタンドが日曜休みかよ!
せっかく無駄に時間を潰したのにぃ!
底をついてる体力で頑張ったのにぃ!!

で、一気にテンションがドン底まで低下。
さすがにヤバイです。
こうなったら少し戻りますが、廃パチンコの近くにあったスタンドに行こう・・・

結局道を戻ってスタンドで給油ということになりました。


それからもう一度廃パチンコに行き、作戦会議。
マズは「ドコを目指すか。」

ココから北にかなり飛ばせば尾鷲か志摩までいけるでしょう。
しかしそうなった場合、帰り道が問題です。
なんせ行き道がすでに適当になってしまい、当初の予定とは全然違う場所にいるわけで、当然帰りも覚悟が必要。
おそらく道とか確認しないでしょう。
ならば大阪に近づける南方向に入れば、新宮に着く。
距離がそれなりにあるが、北よりも近いし、ガソリンも入れた。

ということで、次なる目的地は「新宮」ということになりました。
「この辺の民宿で寝る」って案もあったんですが、それは却下して新宮で探すことになりました。


先ほどの鬼ヶ城トンネルを再度抜け、海岸線を突っ走ります。
と、途中のコンビニで腹ごしらえをしましょう。
よく考えれば、狭山のビックリドンキーで食って以来、何も食ってません。
眠いほうが重要ですが、腹が減りすぎるのも危険。
ということで、(またしても)サークルケーでオニギリを2つほど。

ここでちょっと面白いのが、コレ。

おしぼり?


店員さんが何も言わずに袋に投入。
大阪では見られないレア現象です。
どうやらコッチのコンビニではおしぼり投入は基本のようですよ。

それと、出口付近に置いてたコレ。

アイデム・三重版


津市とか、鈴鹿市とか、四日市市とか。
ネタ用としていただいてきました。
さすがに三重で仕事するのはなぁ・・・
片道何時間かかるんだよw

で、駐車場でオニギリを食ってると、隣に置いてたスポーツカーに運転手が乗り込み、出発していきました。

その時

ブオォォォ・・・プシュン・・・

ゥワーーーー!エンストしてやんの!!!!

イイ音鳴らしてエンジンかけた割にはバックでエンストですか。
その後は何事も無かったかのように早々と去っていきましたが、カッコイイ車が一気にダサダサへ変貌を遂げた瞬間でした。


飯を食って、ひたすらに南下。
そのうち新宮の文字もちらほらと見るようになり、新宮駅の標識を発見しました。

一つ川を挟んで県が分かれてます。
熊野川の真ん中付近で三重県と和歌山県に分裂。
当然現在は三重県。
目的地は和歌山県新宮市。

大阪・奈良・三重と続いて、和歌山突入!

後は新宮市内で寝れる場所を探すだけだ。

しかし予想以上に新宮市は栄えていない。
目に止まるのはビジネスホテルばっかで、普通に寝れそうなところは皆無に等しい。
仕方が無いので、一度新宮駅で作戦会議。

JR新宮駅。

「とりあえずビジネスでも何でもいいから、寝れればOK」ということになり、近くのビジネスホテルを襲撃。
しかしココで大問題。

基本的にこういったホテルとか旅館は15時チェックイン。という厳しい現実があるそうです。
実際にココもそうでした。

でも、それじゃあマズイんですよね。
なんせ、一休みして18時頃には飯も食わねばならんし、19時頃には出発したですから。
で、15時インだと待ってる時間が非常にもったいない。
なので、今度は市役所で聞いてみることにしました。
市役所なら情報収集ぐらいできるだろう。

本日の営業は終了しました。

おーのー!

なんてこった。
市役所やってねぇじゃん!
コレでいよいよヤバくなってきましたよ。
こうなったら、本気で最終手段も視野に入れておかねば・・・

最終手段・それは「新宮駅で寝る!」という、もはやホームレス生活。
あるいは、1区間だけ切符を買って、電車でとことん寝る。

というものです。
そうでもして睡眠を取らないと、帰りの山道で死は免れません。

だが、最後の悪あがきというべきか、近くのサークルケーで最後の抵抗。
よく旅行雑誌とかありますよね?
「関西マップ」みたいな雑誌が。
それの三重版を立ち読み、いい施設がないかひたすらに探します。

しかしどの旅館、ホテルもチェックインは最速で13時。
今現在が34時(午前10時)頃なので、まだまだ時間が余りすぎます。

ココでN氏が、男気あふれる強行手段に出ます。

「こうなったら片っ端から電話して聞いたる!」

という
雑誌に書かれている旅館の電話番号を携帯に打ち込み、外で電話
という、正に強行手段!
しかし我々は、もはやそれにかけるしかありません。


しばらくすると、外から帰ってきてN氏が一言。

「いやー、電話してみるもんやね。」
「いきなり今からOKな旅館キタコレ!」


という
人生の運を使い果たしたんじゃねーのか?

な返答をしてくれました。

どうやら今からチェックインOKで、空室あり、3人様ご招待らしい。
なんともスバラシイ行動だ!
N氏、ブラボー!

その旅館の名前は「長谷旅館」と言うらしく、新宮駅からすぐの場所だとか。
とにかく、今は体を伸ばして寝転がれればそれでOKです。
ゴロってできれば、それでいいんです。

とにかく、その長谷旅館に行ってみましょう。

しかしなかなかに場所がわかりにくい。
少し迷っていると、N氏の携帯に長谷旅館から電話が。

内容は「3人様、マダー?」みたいな感じで、どうやら待っていてくれているようです。
最終的な道確認をして、ようやくそれっぽい道を発見。
すると、向こうの方で誰かが手を振ってます。

え!?

わざわざ待ってくれてらっしゃるー!?

しかもそのまま旅館まで誘導してくれるこの優しさ(?)

スバラシイですよ。

長谷旅館バンザイ。
長谷旅館バンザイ。

で、3人ともバイクを置いて中に侵入。
1泊ではなく、「休憩」になるので、1人2000円ということ。

さっそく部屋に案内され、中をみて予想外!

以外と広い。



3人が余裕で寝転がるスペースがあり、おまけに布団まで!
さらに風呂まで使っていいときたもんだから、文句ありません!!

長谷旅館に感謝!
つーか、むしろ大冒険をして、おそらく運を使い果たしたN氏に感謝!
彼こそ正に救世主ですよ・・・

長谷旅館に到着したのが35時頃。
午前11時頃ということになりますね。
ワタクシは(一応)仕事があったので、8時起きだったので

約27時間ぶりに寝れるぞ。

しかもその間に仕事をして野球して大阪から奈良・三重・和歌山を原付で山越えし、砂浜で水切りやって・・・
んで最終的に長谷旅館に到着して、ようやく寝れるということです。

もはや体はボロボロ。
野球で肩は痛いわ、足は痛いわ、運転で腕は痛いわで、マジボロボロ。
布団に入って体を伸ばした瞬間に全ての力が抜けましたね・・・

3人ともズボンを脱ぎ捨てて、マジ睡眠モードに突入。
次目覚める予定は16時頃だな・・・

そうして一瞬で視界はブラックアウト。


第3部