放浪の旅その3

放浪記、今回で完結です。


睡眠妨害とコーンポタージュとガソリンとガストと。

第2部の最後で視界はブラックアウトしました。
ハイ、いわゆる「睡眠モード」に突入したわけです。

ところがだ。

いざ寝ようと思い目を瞑っていると

隣から激しいイビキ。

部屋には窓際から順番にN氏、アヴェ氏、SAYAMAと並んで川の字で寝ています。
つまり、ワタクシの睡眠を妨害するこのイビキの元は

アヴェ氏によるものなんですよね。

35時にしてようやく寝れるチャンスにもかかわらず、ココにきて妨害ときた。

ワタクシのイライラはN氏にも伝わっていたようで。

何回も寝返りをしていたのがバレバレだったようです。
そのN氏も同じく、イビキで寝れなかったとか。

何回殺そうかと思ったことか。

コレはワタクシとN氏の両方の意見が一致した瞬間ですね。

鬼のイビキを聞き続けて約1時間。
時間は36時半前。

時間もAMからPMに変わってましたよ。

そんなとき、突然アヴェ氏のイビキが止まりました。

チャンス!

この間に寝てしまえば、イビキもそれほど気にはならんハズだ!
寝た者勝ちなこの部屋では、いかに早く寝るかが勝負の分れ目。
こんなチャンスを逃すほど余裕はありません。
ワタクシは一気に寝付けました。

だって寝ようにも寝れなかったから。

ちなみに16時頃に風呂が沸くようなので、起きるのは16時前ということで、超爆睡。


正確には15時50分に携帯のアラームで目覚めました。
アヴェ氏とワタクシがそれで同時に目覚め、N氏はまだ寝てます。
ギリギリまで寝るつもりか。

16時になってN氏のアラームも発動します。
しかし音が鳴らない。

アラームでマナーモードってw

意味がないような気がするのは気のせいか?
バイブはひたすらブルブルしてたけど、N氏は起きる気配がありません。
本気でギリまで寝るようです。


16時を過ぎ、N氏も目覚め

アヴェ氏への苦情を爆発。

とりあえず睡眠妨害ということで、ボコってもよかったんですが、これからさらに大阪まで帰らなければなりません。
体力は温存しておきましょう。

しかし今回のこの数時間の睡眠は、3人の疲れ具合が露呈しました。

アヴェ氏は言うに及ばず、イビキがヒド過ぎ。
それに加えて、N氏が寝言もウザかったと激発。

ワタクシは疲れている時によくする寝言を言っていたようです。
後、イビキで寝れなかったときに寝返りを何回したことか。

そしてN氏は寝返りが結構ヒドめで、寝覚めが悪過ぎですね。

この結果から


3人がどれだけ疲れてたかがよくわかります。

暴露大会はこれぐらいにしておいて、風呂ってきましょう。
野球の後には基本的に風呂に入るので、来る前に入ってはいるものの、それからぶっ通しでここまで来ました。
それに加えて、海岸でかるく汗をかいたのでアヴェ臭がヒドイヒドイ。
コレは是非とも風呂に入るべきです。

順番として、N氏→SAYAMA→アヴェ氏という順番で風呂。

旅館とは言えデカいわけではなく、むしろ民宿に近いものを感じます。
なので風呂場も一般家庭の風呂を多少広くした程度で、石鹸はありましたがシャンプー、リンスはありません。
それでも一応タオル、バスタオルを借りれたのは幸運かも。

とりあえず石鹸をひたすら泡立てて髪の毛洗って体洗って風呂って・・・
一息ついて上がったときに気付きました。

ドライヤー無しか・・・

まぁいいですけどね・・・

で、入れ替えにアヴェ氏も風呂ってアヴェ臭がキレイさっぱり消えて帰ってきました。

ただ、このまま即行で行くにも流石にしんどいので、少しマッタリします。

泊まったぞ!アホが!


よし、コレでこの部屋に思い残すことはない。
時間も18時と、いい感じになってきました。
ココから大阪に戻るわけだが、その前に昼飯(正確には晩飯)を食わねば。
そう思って旅館から出ようとすると、そこに管理人さんがダベってました。
色々と話もして、帰り道は168号線がいいという情報をゲッツ。
でも、とりあえず先に飯だ。
ということで、旅館を出て原付まで。
その前にお世話になった長谷旅館を写しておきましょう。

長谷旅館。


ついでに3人一緒に写してもらいましょう。

長谷旅館サイコー!


さて、コレで旅の準備は万全。

イザ、晩飯探しに出発。


いきなり問題が発生しました。
「せっかく和歌山まできたんだし、和歌山ラーメン食いたくね?」
ということで、店を探しました。

ところがそんな店は全くありません。
代わりに

札幌ラーメンならみつけたが。

ともかく店探しだ。
店を探す・・・場所を探す・・・

サークルケーだな。

なんともヤな客ですよ。
調べるためだけに利用するこのサークルケー。
もはや嫌がらせにしか思えません。

んで、調べた結果、新宮市にはそんな店が無いことが判明。
「食いたけりゃ和歌山市まで行けYO」と書かれていて、流石に今からそこまで行くのは厳しい。
それならそのまま帰れるじゃんな感じだし。

結局、色々と探し回ってもなかったので、大阪でもおなじみのジャスコで食おうってことになりました。

ココまで来てジャスコかよ!って感じもしますが、あまり探してる時間もありませんので。
で、ジャスコってことなので食い物屋だけではなく、色々なものが売ってます。
ついでなので、ココでお土産も買っておきましょう。

エスカレーターで2階にあがり、食う場を発見。
何を食おうか迷いましたが、結局ココでもチョイスはラーメン。

和歌山ラーメンではない。


和歌山だからって、どこでも和歌山ラーメンを食えるわけじゃないんですね。


腹ごしらえも終わり、後は大阪に帰るだけ。
しかし来た時の事を考えると、ちょっと萎えますね・・・
「またあの山越えか」みたいな感じで。
しかし帰りは道がわかってます。
コレは大きな違い。
解って行く道と、冒険で行く道とでは精神的にも全然違うんですよ。
道としては、ジャスコをでてすぐに42号線があり、「橋本」の交差点で168号線に合流します。
後はその168をただひたすらに突き進むのみ。
単純で解りやすいですね。

168号線に合流し、ココからはひたすらに真っ直ぐ。
ここで順番チェンジです。
行きはN氏がひたすら山道を先導していたので、帰りはワタクシが先導します。

思い返せば、コレが失敗だったのかもしれませんけどね・・・

トンネルを抜け、地図上でも解るようにひたすらに川沿いを走ります。
途中、44号線との分かれ道や、169号線との分かれ道などもあり、ちょっと魅力的な道なのですが、今回は真っ直ぐに帰りましょう。

そのまま、ただひたすらに走り続けます。
来た時のことを考えれば、ここらですでに2回ほど休憩はしています。
しかし今回の先導はワタクシ。

未だ休憩無し。

走れるところまでガンガン走ります。
流石に膝と手の感覚は、もうほとんどありませんけどね。

途中から、168号線は十津川沿いを走ることになります。
空は帰りも雲ひとつ無い晴天。
月の光が眩しく、自らの影ができるほどです。
そんな条件で十津川を覗いてみると、コレがまた幻想的な風景。
なんか某男女1/2アニメに出てくる中国的風景な感じでしたよ。
しかも周りは夜なのに月明かりで少し青白く、川だけが真っ黒。

夜中でないと見れない光景です。

そしてアヴェ氏が一言。

「この先に吊橋とキャンプ場があるけど、行ってみる?」

高いところが苦手なワタクシは多少拒否しましたが、3人中2人が賛成という多数決により行くことに。
ガソリンもそろそろ余裕が無くなってきているのに・・・

んで、ちょいと道をはずれて吊橋に到着。

時間的にも真っ暗で、しかも吊橋の入り口には

台風接近による強風のため通行できません。

と、警告文と同時にロープで入り口閉鎖。
それでもずかずか入っていくアヴェ氏とN氏。

警告文無視。

まぁワタクシも行ったんですけどねw

で、さすがにヤバイと思って途中で引き返してきました。
高いところは苦手ですが、下を見ずに足元だけ見てればなんともありませんから。
それでも吊橋は吊橋。
歩くだけでも結構揺れます。
アヴェ氏は普通に歩いてましたが

N氏のなんとも不細工な歩き方。

警戒しすぎだw


ちょうどよかったので、ここらで休憩としましょう。
何キロ休憩無しで走ってんだよw

ちょうど近くに自販機があったので、水分補給といきましょう。

アヴェ氏は「あったか〜い」の「やわらかミルクココア」をチョイス。

あれ?


いやいや、やわらかミルクココアは?

そもそもアイスミルクココアとか無いし。
でもこのミルクココア、「アイス」って書いてるのにちゃんと暖かい。

さらに意味不明なことに

ん!?


!?

なんかおかしくないか?
じっくりコトコト煮込んだスープって、普通熱いよな?
なんかつめた〜いトコロに入ってらっしゃるんですけど・・・

そこで冒険大好きN氏が購入。
「もしかして出てくるのは熱いかもしれんし。」ということで、ボタンをポチっと。

冷てぇ〜〜!

しかも

マズイ!!

煮込んだヤツを冷やしてどーすんだよ。
ただ単に冷えたマズいスープになるだけじゃんか!
しかも、自販機で冷やしてるから、そうとう冷たいぞ!コレ!
冷たいから、缶の中に入ってるスープの元が溶けずに固体化して残ってるし!

さすが十津川。

一味も二味も違うぜ!


それからまた168号線を五条方面に向かってひたすら走らせます。
すると途中、「ふれあいトンネル」に差し掛かり、その入り口で

通行禁止の文字が・・・


はぁ?

いやいや、ちょっと待ってくれよ。
ここを抜けないと帰れないんですけど・・・
しかし追い討ちをかけるかのごとく、完成は平成19年とか書いてやがる。

今回最大のピンチ。

戻ろうにもガソリンが足りません。
ここまで来るのに半分以上使っているし、戻れてもセルフなんて無かったし。
かといって、近くの道を捜索もできません。
ガソリンピンチですから。

そして緊急会議。
この帰り道で始めて地図を取り出し、どうにかしていける道を探しました。
幸い、このすぐ横の脇道は遠回りになるにしろ、この先の道と合流しているようなので、コッチから進みましょう。

なんとか168号線に合流し、また五条を目指してひたすら走ります。

休憩なんてほとんど取らずに、ひたすらに走り続けて数時間。
休憩してない分、予想以上に早く五条に着きました。
しかしこの時点で、N氏のガソリンメーターは振りきり、ワタクシの方も振り切る直前です。
ココで五条市内に向かい、セルフのスタンドを探して給油するか、河内長野まで抜けてしまうか会議します。

行っちまうか!

そう、我々は大冒険野郎です。
今回もハッキリいってノープラン。
なら最後まで貫き通そうじゃないか。

という、大冒険に出ました。

原付組みのガソリンはほぼカラ。
アヴァイクもそうとう腹ペコです。
そんな状態で

これから山を登ろうとしてるんだからな。

無謀にもホドがありますね。

しかしこの山さえ抜ければ、もう大阪は目の前だ。
頑張れDIO様!

スピードを30`に制限して、ちょっとでも負担を減らそうと必死。
登りでもアクセルをあまりあけずに、下りではほぼニュートラル。
なにがなんでも時速30`をマークします。

すると途中のトンネル

「大阪府」の標識が!


帰ってきたぜ!大阪府!

しかも行きとは全く違う道から。

しかし大阪に帰ってきたからと言って、喜べない現実がココにあります。

・現在山の中でガソリンメーターは振り切っている。
・この310号線が思った以上に苦痛。
・道、荒れすぎ。


というもの。

メーターが無いのはすでに山に入る前から解っていたこと。
むしろ解っていて冒険に出たわけですから。

2番目の「苦痛」ですが、ほんとに苦痛。

十津川とか行きの山とかでも、夜とはいえそれなりに景色が見えたんですよ。
ですが、この310号線はナンダ。

木が生い茂りすぎて何も見えない。

一瞬だけ夜の街が見えたけど、ホントに一瞬。
またすぐに生い茂る木の中へ・・・

それに追い討ちをかけるかのごとく、3番目の「荒れた道」。
ホントに最悪です。
「ガケ崩れでもあったんか?」と思えるような道。
道路に石が散乱してたり、アスファルトがボッコボコになってたり・・・

最後の最後でコレかよ。

そんな思いでいっぱいでした。
さらにその真っ最中に

DIO様が突然のパワーダウン。

マジビビッタよ。
アクセル回してるのに、イキナリ「ガクン」ってパワー落ちたのよ。
本気で「ヤベぇ!」と思いましたね。

しかしスピード制限などで節約してきた成果か、南海河内長野の駅まで到着。
ココまで来れば、もう標識もいらないぜ!
この辺りは、もはや我々の庭だ。

庭は庭でも、ガソリンがピンチなのは変わりありません。
普通のスタンドは100%の確率で閉まってます。
でもココは大阪。

24時間セルフもありますよ。

必死にココまで走らせて、ようやく給油が出来ます。
DIO様はタンク容量が5gらしいが、とりあえず3.9リットル入りました。
節約走行が効いてます。
それとは対照的に、ガンガン飛ばしちゃうN氏は4.5g中4.2リットル。

まさにカツカツです。

本当の限界というものを見ました。

給油した後はそのまま帰るわけでもなく、途中の十津川付近ですでに決まってました。

「帰りはガストな。」

腹いっぱいになったそれぞれのバイクはフルスロットルで全開走行。
山道を30`しばりで走るのがどれだけのストレスか。
今、ココでそのストレスを発散。

全開走行なので、あっという間に狭山のガストに到着。
時間は26時前です。

まぁこの時間にココのガストは、夜の冒険でおなじみなので特に違和感が無かったですね。
「いつも通り」な感じです。
「服装が冬仕様」「体が冷え切っている」ことを除けばですが。

そして中に入って、早速注文。
ワタクシは基本的にいつも通りのメニューです。
そして食べ物よりも先に

コレこそ「あったか〜い」。


とにかくスープで温まる。

なによりも、まずスープ。
暖かい飲み物が欲しかったんですよ。
そして食べ物もそろって、この日の晩飯を食いましょう。

日は変わってるけど晩飯。


普通に美味かった。
いや、いつも以上に美味かったかもしれません。
それだけキツかったんですよ。

食ってからはいつものダベりモード。
色々とバカなネタで笑いまくってましたが、流石にそろそろ眠い。
いつもは閉店間際までいるんですが、今回はさすがにそれは無理。
なのでさっさと店を出ます。

そうそう、狭山に戻ってきたから、DIO様の走行距離も撮っておかないと。

ガストの駐車場にて。


3189.0`ね。
行く前が2848.9`だったから・・・

合計340.1`の旅だったわけですね。

1泊2日・・・というか、泊してないか。
それで340`走ったのか。

アホだな。

ウン、間違いなくアホですよ。
俺たち。

しかし行きは道を確認せずに、目的地と違うところにたどり着き
寝る場所も全く決めずに彷徨いまくり
帰りは聞いただけの道をひたすらに疾走
途中、海やら山やら川やら冷えたコーンポタージュやら。

かなり(色々と)ヤバかったけど
スゲー面白かった。

あとはイビキが無ければ最高でしたね。

またこんな超冒険をしたいものです。
もう原付はイヤですけどw
出来れば車で行きたいですよね。
後、もうちょっと時間的余裕も欲しいかも。
行って帰ってきただけですから。
でもバイクだったので、その「行き帰り」の道中が面白かったのは事実です。

今回は南を一気に攻め込んで、大阪から奈良、和歌山、三重まで横断しました。
次は北の京都辺りを縦断したいと考えております。
でもそのときはバイクではないと思いますけど。

また超無謀に行くことは、まぁ間違いないでしょう。
なんといっても

我らは3バカトリオですから。



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